松下 和樹

中小企業のホームページ制作でよくある失敗は次の3つが中心で、どれも作り始める前の決め方で防げます。
目的が決まらないまま作る
問い合わせの導線が無い
公開して終わる
デザインの良し悪しより先に、誰に何をしてもらうサイトなのかと、公開後に誰が数字を見て直すのかを決めておくことが大切です。
この記事ではStudio特化でホームページの制作と公開後の運用をしているMacminol株式会社が、制作の現場で見てきた失敗を7つの型に分け、失敗と防ぎ方を対にして書きます。
最後に発注前に決めておくことのチェックリストと、よくある質問もまとめました。

ホームページ制作の失敗は作る前にほぼ決まる
当社のNOL-WEBのページでは100社以上のお客様に向き合ってきた中で多かった悩みとして、次の4つを載せています。
見積りを取るまでいくらか分からない
作ったのに問い合わせが増えない
料金やメニューが変わっても直せない
制作会社との接点は納品日で切れてしまった
どれも公開した後に表に出る悩みですが、原因をたどると制作に入る前の段階に行き着きます。
目的・見る人・原稿・導線・公開後の体制・契約の範囲が決まらないまま進むと、完成したサイトが整っていても成果につながりません。
7つの失敗を起きる時期で並べると次のとおりです。
時期 | 失敗 | 防ぎ方の要点 |
|---|---|---|
作る前 | 1. 目的が決まらないまま作る | 目的を1つに絞り、追う数字を決める |
作る前 | 2. 誰に何を伝えるかが決まっていない | 見る人と自社の強みを1文で書く |
作る前 | 3. 見積もりの範囲を確かめずに発注する | 含まれる作業と公開後の費用を書面で見る |
作る途中 | 4. 原稿を後回しにして見た目から作る | 原稿を先に決めてから画面の配置を作る |
作る途中 | 5. 問い合わせの導線が無い | 各ページの終わりに次の行動を置く |
公開後 | 6. 公開して終わる | 数字を見る日と見る人を決める |
公開後 | 7. 自社で更新できない作りにする | 変わる情報を直しやすい場所に置く |
ここから1つずつ見ていきます。
失敗1: 目的が決まらないまま作る
よくある状態
「会社にホームページが無いと格好がつかない」「古くなったので新しくしたい」という理由だけで制作が始まる形です。
目的が決まっていないと、トップページに何を大きく載せるか、どのページを作るかを決める物差しがありません。結果として会社案内を一通り並べたサイトになり、見た人に何をしてほしいのかが伝わらなくなります。
防ぎ方: 目的を1つに絞り追う数字を決める
まず「このサイトで一番増やしたいものは何か」を1つ決めます。問い合わせ、来店の予約、資料の請求、採用の応募などです。
目的が決まったらそれを測る数字(月の問い合わせ件数など)を決めておくと、公開後に良し悪しを判断できます。
当社では制作に入る前のヒアリングの場で、次の項目を要件として書き出しています。
制作を依頼する背景と目的
最終的に達成したい数字と、途中で追う数字
市場と競合
今の課題
自社の強みと、サイトで一番伝えたいこと
見てほしい人の人物像
目的がはっきりしない段階で相談を受けることも多いので、ヒアリングの場で事業の状況をうかがいながら一緒に言葉にしていきます。
失敗2: 誰に何を伝えるかが決まっていない
よくある状態
「どなたにでも来てほしい」と考えて、すべてのお客様に向けた言葉で書くと、どの人にも刺さらない文章になります。同業他社のサイトと見比べたときに違いが分からず、比べられた末に選ばれない原因になります。
防ぎ方: 見る人と自社の強みを1文で書く
次の2つを1文ずつ書いてみます。
一番来てほしいお客様はどんな状況で何に困っている人か
その人が同業他社と比べて自社を選ぶ理由は何か
この2文がサイト全体の芯になります。競合のサイトを3社ほど開き、同じことを言っていないかを確かめると、自社の言い方の違いが見えてきます。
当社でも制作の前に競合の調査をして、見る人の人物像・自社の強み・一番伝えたいことを要件の段階で決めています。
失敗3: 見積もりの範囲を確かめずに発注する
よくある状態
制作費の金額だけを比べて発注し、あとから「原稿は自社で用意する前提だった」「スマホ向けの調整は別料金だった」「公開後の修正は毎回見積もり」と分かる形です。
追加の費用が積み重なり、最初に比べた金額と大きく変わることがあります。
防ぎ方: 含まれる作業と公開後の費用を書面で見る
見積書と契約書で次の点を確かめます。
確かめる点 | 見るところ |
|---|---|
原稿づくり・写真・ロゴは含まれるか | 見積もりの品目 |
スマホ向けの調整は含まれるか | 見積もりの品目 |
問い合わせフォーム・アクセス解析の設定は含まれるか | 見積もりの品目 |
何ページまで作るか・増えたらいくらか | 見積もりの条件 |
公開後の修正はいくらで何回まで頼めるか | 保守・運用の契約 |
ドメインは誰の名義になるか | 契約書 |
契約が終わったときにサイトを引き取れるか | 契約書 |
当社のNOL-WEBでは制作費200,000円(税別・10ページまで)の中に、競合調査・サイト構成の設計・原稿作成・デザイン・実装・スマホ対応・公開作業と、CMS・フォーム・内部SEO・アクセス解析の初期設定を含めています。
ロゴ制作・写真撮影・LP制作・多言語対応・メール設定・11ページ目以降の制作はオプションです。
ドメインは最初からお客様名義で契約していただき、契約の終了時(満了・中途とも)はサイトを譲渡費0円でお渡ししています。
最低契約期間は12ヶ月です(2026年10月時点のmacminol.com/service/nol-webの表記)。
失敗4: 原稿を後回しにして見た目から作る
よくある状態
デザインを先に作り、文章は「あとで入れます」と仮の文字のまま進める形です。いざ原稿を入れると文字量が合わずに配置が崩れたり、載せたい情報が入る場所が無かったりして、デザインのやり直しが起きます。
原稿の準備が遅れると公開の日も延びます。
防ぎ方: 原稿を先に決めてから画面の配置を作る
ホームページの中身は文章です。何をどの順番で伝えるかを先に決め、その文章が入る形で画面を組むと、やり直しが減ります。
当社の制作は次の順で進めています。
ヒアリングと要件の整理
サイトマップ(ページの一覧)とデザインの方針を決める
原稿を用意して確定する
原稿を入れたワイヤーフレーム(画面の配置図)を全ページ分作る
トップページと下層ページのデザイン
Studioでの実装と公開
ワイヤーフレームやデザインなど工程の区切りごとにお客様に確認していただく場を設け、合意してから次に進みます。
文章を考えるのが苦手な場合も、ヒアリングの内容をもとに当社のディレクターが載せる内容と見せ方を整理し、原稿の案を作ります。
失敗5: 問い合わせの導線が無い
よくある状態
サービスの説明はしっかり書いてあるのに、読み終えた人が次に何をすればいいかが書かれていない形です。
問い合わせのボタンがページの一番下にしか無い、電話番号が画像の中にあってスマホで押せない、フォームの入力項目が多すぎて途中でやめてしまう、といった状態もよく見かけます。
フォームの通知メールが誰にも届いていなかった、ということもあります。
防ぎ方: 各ページの終わりに次の行動を置く
次の点を公開前に確かめます。
サービスや料金のページを読み終えた所に、問い合わせや予約への入口がある
電話・フォーム・LINE公式アカウントなど、お客様が使いやすい連絡の手段を選べる
スマホで見たときにボタンが押しやすい大きさで、電話番号はタップで発信できる
フォームの入力項目が必要最小限になっている
実際にフォームから送信して、通知が担当者に届くかを確かめた
返信までの目安が書いてある
当社のNOL-WEBのページでもページの最初と最後の両方に相談の入口を置き、LINEとフォームのどちらからでも相談できる形にして、返信の目安(2営業日以内)を書いています。

失敗6: 公開して終わる
よくある状態
公開した日に制作会社とのやり取りが終わり、その後は誰もアクセスの数字を見ていない形です。問い合わせが増えない理由が見る人の数なのか、ページの中身なのか、導線なのかが分からないまま時間が過ぎます。
防ぎ方: 数字を見る日と見る人を決める
公開前にアクセス解析の設定を済ませ、月に1回は数字を見る日を決めます。最初に見るのは次の4つです。
見る数字 | 分かること |
|---|---|
サイトを見た人の数 | 検索や広告から人が来ているか |
どのページがよく見られているか | お客様が何に興味を持っているか |
問い合わせのページまで進んだ数と送信の数 | 導線とフォームに問題が無いか |
どんな検索語で来ているか | 狙った言葉で見つけてもらえているか |
社内に数字を見る人がいない場合は公開後の運用まで頼める制作会社を選ぶ方法があります。
NOL-WEBではどのプランにも月1回のアクセス解析レポートとミーティングが付き、スタンダード以上のプランではディレクターが数字を読み解いて次に直す所をご提案しています。
失敗7: 自社で更新できない作りにする
料金やメニューが変わったのに直せず、古い情報が載ったままになる失敗です。文字が画像の中に入っている、お知らせを1件ずつ手で並べている、触ると崩れる組み方になっている、といったサイトの作りが原因になっていることが多くあります。
防ぎ方は変わる可能性のある情報(料金・営業時間・お知らせ・実績)を、制作の段階から直しやすい場所に置いておくことです。原因の見分け方と解決策は「ホームページを更新できない原因と解決策」で詳しくまとめています。
発注前に決めておくことのチェックリスト
制作会社に相談する前に次の項目を社内で書き出しておくと話が早く進みます。埋まらない項目は相談の場で最初に決める項目になります。
項目 | 書き出す内容 |
|---|---|
目的 | サイトで一番増やしたいもの(問い合わせ・予約・応募など) |
追う数字 | 月の問い合わせ件数など、目的を測る数字 |
見てほしい人 | どんな状況で何に困っている人か |
自社の強み | 同業他社と比べて自社が選ばれる理由 |
競合 | 比べられそうな会社のサイトを3社ほど |
参考にしたいサイト | 雰囲気や見せ方が近いサイト |
予算 | 制作費と、公開後に毎月かけられる費用 |
公開の時期 | いつまでに公開したいか |
社内の担当者 | 原稿の確認や公開後の窓口になる人 |
公開後の体制 | 更新と数字の確認を社内でやるか任せるか |

よくある質問
目的がはっきりしていなくても制作会社に相談できますか?
相談できます。目的を言葉にするところから制作会社と一緒に進めるのが一般的です。NOL-WEBでも詳細ヒアリングの段階でサイト制作の目的を明確にし、公開後の運用のイメージまで具体的にしてからお見積もりをお出ししています。
今のサイトは直すべきですか?作り直すべきですか?
直したい所が文字や画像の差し替え、問い合わせの入口の追加などに限られるなら、今のサイトを直すほうが早く済みます。目的や見る人から見直す必要がある場合や、更新できない作りがサイト全体に及んでいる場合は、作り直しを含めて比べると判断しやすくなります。
制作にはどれくらいの期間がかかりますか?
ページ数や原稿・写真の準備の状況によって変わります。NOL-WEBでは契約からサイトの公開まで6〜8週間を目安にしています(2026年10月時点)。原稿の確定が遅れると期間が延びるので、失敗4のとおり原稿を早めに固めておきます。
公開後にはどんな費用がかかりますか?
サーバーやドメインの費用に加えて、修正や運用を制作会社に頼む場合はその費用がかかります。NOL-WEBの月額は修正の回数とレポートの内容によって、ライト30,000円(修正月1回)・スタンダード40,000円(月2回)・ビジネス50,000円(月3回)の3つで、どのプランにも月1回のミーティングが付きます(金額は税別・2026年10月時点)。
失敗しないホームページづくりをNOL-WEBで相談する
MacminolのNOL-WEBはStudioで制作したホームページを、公開後も月額で更新・運用するサービスです。
制作の前に目的と見る人を一緒に決め、原稿からデザイン・実装・公開までを定額で進め、公開後は月1回のレポートとミーティングで数字を見ながら次に直す所を決めます。
これから作る方も、今のサイトを見直したい方も、サービスページで料金と流れをご覧ください。
この記事を書いた人
Macminol株式会社 代表
松下 和樹
兵庫県明石市で中小企業のホームページ制作、LINE公式アカウントの構築と運用、AI導入支援を手がける。請求書の発行や会議の記録など自社の業務の多くをAIに任せて回し、その運用の決まりをもとにお客様のAI導入を支援している。
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