松下 和樹

Claude Codeを会社に入れるときは次の5つを、この順に決めます。
誰がどのアカウントで使うか
どのプランと席にするか
権限と設定をどこに置くか
社内ルールをどう読ませるか
どの業務で試すか
まずはTeamプランで会社の席を用意し、外部への送信は人が承認してから行う決まりを最初に書いておくと、あとからアカウントやルールを決め直す手間が減ります。
この記事ではMacminolが自社の業務をClaude Codeで回し、2026年10月に個人アカウントからTeamプランへ移ったときの記録をもとに、手順ごとに決めることを整理します。

Claude Codeの法人導入は5つの手順で進める
最初に全体を表で示します。右の列は当社が実際に決めた内容です。
手順 | 決めること | Macminolの答え |
|---|---|---|
1. アカウント | 誰が・どの端末で・どのアカウントで使うか | 会社のメールの席で使う。自動で動く処理の席も決める |
2. プランと席 | TeamかEnterpriseか、席の種類と数 | Team。利用量の多い使い方には上位の席を充てる |
3. 権限と設定 | 設定ファイルの置き場、鍵の扱い、ファイルの直し方 | 鍵はコマンドに書かない。ファイルを直す手段を決めておく |
4. 社内ルール | AIに毎回読ませる決まりと置き場 | 共通の指示を1本に集め、短い常時ルールと作業ごとの手順に分ける |
5. 試し方 | 最初の業務と広げ方 | 手順が決まっている業務から始め、うまくいった形を手順として残す |
手順1と2は契約の話、3と4は運用の話、5は定着の話です。順番を入れ替えると、使い始めてからアカウントを移し直したり、ルールを後から書き足したりする手間が出ます。
手順1:誰がどのアカウントで使うかを決める
業務で使うなら会社の席に移す
Claude CodeはProやMaxの個人プランでも使えます。試すだけなら個人プランで十分ですが、業務で使い続けるなら会社の席に移したほうが管理が楽になります。
理由は3つあります。
請求を会社でまとめられること
管理者が席の追加と外しを行えること
TeamとEnterpriseは会話の内容を学習に使わない設定が既定になっていること(Anthropicの料金ページの表記・2026年10月23日時点)
当社は代表が個人アカウントで使い始め、業務の量が増えた2026年10月にTeamへ移りました。移ってから気づいたのはアカウントに付いているものと付いていないものがはっきり分かれることです。
そのまま引き継がれたもの | やり直しが要ったもの |
|---|---|
フォルダ・ルール・スキル・設定ファイル | ログイン(アプリとターミナルの両方) |
外部サービスのAPIの鍵 | claude.aiのコネクタ(Notion・Gmail・Googleドライブなど) |
AIに読ませるメモや決定の記録 | アプリの定期タスク |
ブラウザ拡張とスマホのアプリのログイン |
ルールやスキルはパソコンのファイルなので、アカウントを変えても消えません。
コネクタや定期タスクはアカウントに付くので、移した日に繋ぎ直しと写し直しが要りました。導入の最初から会社の席で始めれば、この作業は丸ごと要りません。
アプリとターミナルの両方でアカウントを確かめる
Teamに移ったとき、当社は1つつまずきました。Claudeのデスクトップアプリで会社のアカウントにログインし直したのに、ターミナルのClaude Codeは個人アカウントのまま動いていたのです。
アプリとターミナルのログインは別々に切り替わるので、移したあとは両方で今のアカウントを確かめてください。ターミナルでは /status を打つと、ログイン中のアカウントと組織が出ます。
管理者の側ではClaude Codeの管理設定で forceLoginOrgUUID を指定すると、自社の組織のアカウント以外ではログインできないようにできます(公式ドキュメント)。
社員が個人アカウントのまま業務を進めてしまう事故を防げます。
自動で動く処理のアカウントも決めておく
人が開いて使うセッションのほかに、決まった時刻に動く処理や、チャットからの依頼を受けて動く処理を作ると、それぞれがどのアカウントで動くかを決める必要が出ます。
当社では決まった時刻に動く処理を claude setup-token で発行した長期トークンで動かしていて、Teamに移ったときにこのトークンも会社の席で発行し直しました。
公式ドキュメントによると長期トークンの有効期間は1年で、リモート操作の接続とclaude.aiのコネクタは使えません。自動で動く処理はコネクタに頼らず、APIを呼ぶ小さなスクリプトを経由させておくと、アカウントを移しても止まりません。
手順2:プランと席を選ぶ
プランごとの料金と使い方
Anthropicの料金ページの表記を、2026年10月23日に確かめた値でまとめます。金額は米ドル・税別です。
プラン | 料金 | 想定する使い方 |
|---|---|---|
Pro | 月20ドル(年払いは月17ドル相当) | 個人で試す |
Max | 月100ドルから | 個人で毎日長く使う |
Team Standard席 | 1席 月25ドル(年払いは月20ドル) | 2〜150人の会社でふだん使う人 |
Team Premium席 | 1席 月125ドル(年払いは月100ドル) | 毎日長く使う人・自動の処理を受け持つ席 |
Enterprise | 1席 月20ドル(年払い)+利用量はAPIの料金。20席から | 監査ログや細かな権限管理が要る大きな組織 |
Teamの席はどちらもClaude Codeを含みます。
利用枠はStandard席がProの1.25倍、Premium席が6.25倍で、1つの組織の中で2種類の席を混ぜて契約できます(Claudeヘルプセンター「What is the Team plan?」)。
代表が一番長く使う会社なら、代表の席をPremium、ほかの人をStandardにする組み合わせが無駄がありません。枠が足りなくなったときは管理者が組織で追加の利用(usage credits)を有効にできます。
Teamに移って使えなくなった機能があった
プランを決める前に、いま使っている機能が会社のプランでも使えるかを確かめてください。
当社はTeamに移ったあと、MacのアプリをAIが操作する機能(コンピュータユーズ)の道具が出なくなりました。公式ドキュメントにもこの機能はProかMaxが必要で、TeamとEnterpriseでは使えないと書かれています。
当社ではブラウザの操作をClaudeのブラウザ拡張で行い、それ以外のアプリの確認は別の手段で続けることにしました。個人プランで便利に使っていた機能ほど、移る前に一覧にして確かめる価値があります。
サブスクの枠とAPIの従量課金を混ぜない
Claudeを使う費用にはサブスクの月額と、APIの従量課金の2種類があります。社内で作った仕組みの中からClaudeを呼ぶ場合はAPIの課金になり、サブスクの枠とは別に請求されます。
ここで起きやすい事故があります。
パソコンの環境変数に ANTHROPIC_API_KEY を入れておくと、Claude CodeはサブスクのログインよりAPIキーを優先し(対話の画面では最初に一度だけ確認が出ます)、-p を付けた自動の実行では確認なしにキーを使います(公式ドキュメントの認証の優先順位)。
当社はこれを避けるため、Claude APIの鍵をClaude Codeを動かすパソコンには置かない決まりにしました。自動の処理がいつの間にか従量課金で動いていた、という事態を仕組みで防げます。
手順3:権限と設定の置き場を決める
設定ファイルは4つの階層で考える
Claude Codeの設定はだれに効くかで置き場が分かれています(公式ドキュメント「Settings files and precedence」)。
置き場 | 効く範囲 | 置くもの |
|---|---|---|
管理設定(組織が配る) | 組織の全員 | ログインできる組織、禁止する操作など会社として強制する決まり |
| そのフォルダで作業する全員 | チームで共有する権限・hook・プラグイン |
| 自分のそのフォルダだけ | 個人の上書き。承認したコマンドもここに残る |
| 自分のすべてのフォルダ | 個人の好み |
同じ項目が複数の場所にあると、上の段が勝ちます。会社として必ず守らせたいものは管理設定に、チームで揃えたいものは共有の設定に、と分けると迷いません。
なお確認なしで操作を進める「許可なしモード」は、共有の設定やローカルの設定に書いても効かず、個人の設定か管理設定でだけ有効になります。
鍵はコマンドに書かない
導入の初期に必ず決めてほしいのがAPIキーやトークンの扱いです。
Claude Codeでコマンドの実行を「次から聞かない」で承認すると、そのコマンドは .claude/settings.local.json に許可のルールとして保存されます。
コマンドの中に鍵がそのまま書かれていると、鍵が平文のままファイルに残ります。
当社の決まりは次のとおりです。
鍵をコマンドやチャットに直接書かない
外部のサービスは鍵をファイルから読む小さなスクリプト経由で呼ぶ。スクリプトが無いサービスは先にスクリプトを作る
鍵の実体は1か所にまとめ、gitの管理から外す。1つのキー名は1つのファイルにだけ書く
3つ目の後半が大事なのは別々の設定ファイルに同じ名前の鍵を書くと、先に読まれたほうの値が使われるからです。同じサービスの一部の操作だけが失敗する、原因の分かりにくい状態になります。
ファイルを直す手段を決めておく
意外と見落とされるのがAIがファイルを書き換える手段です。シェルのコマンドや一括置換のスクリプトで書き込ませると、置換の指定を誤ったときに長いファイルの中身がまるごと消えることがあります。
そこで当社ではファイルを直すときはClaude Codeの編集用の道具だけを使い、シェルのコマンドやスクリプトで書き込まない決まりにしています。
AIに任せる範囲が広がるほど、こうした細かい決まりが効いてきます。問題が見つかったらその日のうちにルールに1行足す運用にしておくと、同じ問題が二度起きません。
手順4:社内ルールを書いてAIに毎回読ませる
ルールは1か所に置き短い常時ルールと長い本文に分ける
Claude Codeはフォルダにある CLAUDE.md や .claude/rules/ の中のファイルを毎回読み込みます。社内ルールはここに書きます。
当社のルールの置き方は3層です。
共通の指示を1本のファイルにまとめる。会社の事業・部門ごとの頼み方・承認の決まりなど、どの作業でも前提になることを書く
常時ルールは1つ1〜3行の短いファイルにし、詳しい本文の場所を添える
作業ごとの手順は「スキル」として別に置く。請求書の発行・議事録の作成・会議の日程の登録など、業務ごとに1つずつ作る
毎回読むファイルを短く保つのが続けるこつです。全部を1つのファイルに書くと、読み込むたびに作業に使える記憶の量が減り、肝心の指示が埋もれます。
代表から直しが入ったら、その場で次に読まれるファイルに1行書く決まりにしています。「次からは気をつけます」とチャットで答えるだけでは、次の会話のAIは覚えていません。

外部への送信は人が承認してから行う
社内ルールで最初に書いてほしいのが、AIが外部へ送ってよいものと、人の承認が要るものの線引きです。当社では次のように決めています。
区分 | 対象 |
|---|---|
代表の承認が要る | Xへの投稿・LINE公式アカウントの配信・メールの送信・Webページの公開 |
承認なしで送ってよい | 社内のチャットへの投稿。ただし社外の相手に納期・金額・契約条件を伝える連絡は除く |
承認が要るものはAIが下書きと予約の準備までを行い、送信のボタンは代表が承認してから押します。
操作のたびに確認の画面を出す設定は、読み取りの操作まで止まって仕事が回らなくなりがちです。
当社は止める場所を絞り、絞った所は機械で確かめる形にしています。たとえば送る文面に会議の参加リンクや日時が入っていたら、送る前に会議サービスのAPIで日時とリンクを照合します。
ほかのAIエージェントと併用するなら共通の正本を作る
当社はClaude Codeと、OpenAIのAIエージェントを併用しています。画像の生成や一部の動画編集はOpenAI側、日々の業務の多くはClaude Code、という分担です。
2つのAIに同じルールを守らせるため、共通の指示はOpenAI側が直接読む AGENTS.md に1本で書き、Claude Codeの CLAUDE.md からはそのファイルを読み込む形にしました。
スキルの本体も共通のフォルダに置き、それぞれのAI用の入口は自動で作られるようにしています。
ルールを2か所に書くと、片方だけ直して食い違うことが必ず起きます。正本を1つに決めるのが併用の前提です。
手順5:小さな業務で試してから広げる
最初の業務は手順が決まっているものから選ぶ
最初にClaude Codeに任せる業務は、手順が決まっていて結果を人が確かめやすいものにします。議事録の作成、問い合わせへの一次返信の下書き、請求書の読み取りなどです。
当社で最初に定着したのも、請求書と領収書の発行、録画の文字起こしの清書、会議の日程の登録といった、毎回同じ手順を踏む作業でした。うまくいった形はその場でスキルとして残し、次からは「◯◯して」と一言で頼めるようにしています。
業務ごとの実例は「Claude Codeの非エンジニア活用事例8選」、請求書の仕組みの細部は「Claude Code経理自動化の実例」に書いています。
事例 経営者が先に試してから社員へ広げた
NOL-AIで導入を支援した株式会社ラジャ様は、約3ヶ月で全社員がClaude Codeを使える状態になりました。
進め方は経営者の方が先に自分の業務で試し、そのあと当社が社員の方へ個別にレクチャーする順番です。経理と支払いの処理をClaude Codeとマネーフォワードで自動化し、社員の方が自分で案件管理のアプリを作るところまで進みました。
経営者が先に使うと、どの業務に効くか、どんなルールが要るかを社内の言葉で説明できるようになります。全社に一斉に配るより、この順番のほうが定着が早いと感じています。
導入を手伝って見えたつまずき
これまでの導入支援で、事業者の方のClaude Codeの導入に伴走してきました。そこでよく見たつまずきと、当社がすすめている対処をまとめます。
つまずき | 対処 |
|---|---|
ブラウザ版のClaudeだけを使っていて、Claude Codeを入れたことがない | 最初の面談でデスクトップアプリを入れ、作業用のフォルダを1つ作るところまで一緒に進める |
フォルダと設定のファイルが散らかり、どこに何を書いたか分からなくなる | 共通の指示を1本にまとめ、案件のフォルダとルールのフォルダを分ける |
サブスクの枠と、自作の仕組みの中で使うAPIの課金の区別が付いていない | どの処理がどちらで動くかを一覧にする。APIは上限額を決めてから使う |
頼んだものが思った方向とずれて出来上がる | 作る前にAIに調べさせ、確認の質問を出させてから着手させる |
画面共有や録画に、顧客の名前や問い合わせの一覧が映り込む | 録画を公開する前に全編を見て、映り込みが無いかを確かめる |
4つ目について、伴走したある方は作る前にリサーチさせて質問を30個ほど出させるようにしたら、見当違いの方向に進むことが無くなったと話していました。
導入の手順と同じくらい、使い始めたあとの確かめ方を決めておくことが大事です。
よくある質問
Claude Codeを会社で使うにはTeamプランが必要ですか
必須ではありません。ProやMaxの個人プランでもClaude Codeは使えます。ただ、請求をまとめる・席を管理する・会話を学習に使わない設定が既定になる、といった点を考えると、業務で使い続けるならTeam以上の会社の席を用意したほうが管理が楽です。
何人からTeamプランを契約できますか
Claudeヘルプセンターの説明ではTeamは2席から150席までです。150席を超える場合はEnterpriseの対象になります。
社員が個人アカウントで使い始めてしまった場合はどうすればよいですか
会社の席を用意し、ログインし直してもらいます。フォルダの中のルールやスキルはそのまま使えますが、コネクタと定期タスクは繋ぎ直しが要ります。デスクトップアプリとターミナルのログインは別々に切り替わるので、両方で /status を確かめてください。
情報漏えいが心配です。最初に何を決めればよいですか
まず3つです。鍵をコマンドやチャットに書かないこと、外部への送信は人が承認してから行うこと、AIに扱わせない情報の種類(顧客の個人情報など)を決めることです。会社として必ず守らせたいものはClaude Codeの管理設定で強制できます。
導入にはどのくらいの期間がかかりますか
業務の範囲で変わります。当社のNOL-AIでは手順が決まったひとつの作業を任せる構築で2〜3週間、ひとつの業務の流れを最初から最後まで任せる場合で1〜1.5ヶ月、複数の業務にまたがる場合で2〜3ヶ月を目安にしています。社内に使いこなせる人を育てる場合は、ラジャ様の例のように3ヶ月ほどで社内の運用に移るのが一つの目安です。
Claude Codeの法人導入を相談したいときは
MacminolのNOL-AIではClaude Codeを含むAIの導入を業務単位で支援しています。
業務を1つ決めて仕組みを作って納める「AIエージェント構築」(5〜30万円・税別)と、定例とチャットで社内に使える人を育てる「AI活用サポート」(月5〜40万円・税別)の2つから選べます。
アカウントやルールの決め方の段階から相談できるので、まずは自社のどの業務から始めるかを一緒に整理するところからお声がけください。
この記事を書いた人
Macminol株式会社 代表
松下 和樹
兵庫県明石市で中小企業のホームページ制作、LINE公式アカウントの構築と運用、AI導入支援を手がける。請求書の発行や会議の記録など自社の業務の多くをAIに任せて回し、その運用の決まりをもとにお客様のAI導入を支援している。
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